お給料が未払いになるって、本人も身内も辛いものですね。
私も主人もそういったことに縁がなかったのですが、少し前に息子の身の上に起こったのです。
そのときは、すぐに労働基準監督署へ相談に行きました。そのかいあって、いくらかの未払い給料は払ってもらえたのですが・・
自己退職したために、ひと月分の給料を払ってもらえなかった
従業員が20名ほどの工場のような会社に、2年ほど息子は勤めていました。経営者とうまくいかず、半ばうつ状態になったようで、突然仕事を辞めたのです。
退職を申し出たけどなかなか受け入れてもらえなかったようで、月末から突然仕事に行かなくなり、丸々ひと月分の給料をもらうことなくやめてしまいました。
私だったら、お給料日に給料が振り込まれたのを確認して行かなくするけどなぁと思ったのですが、彼にはそういった策略はなかったようです。
翌月の給料日を過ぎてもお給料は振込みされません。
一応電話で、給料の支払いをしてもらえるようお願いしたようですが、急に勝手に辞めたので払わないと言われたようです。
労働基準監督署の相談窓口へ出向いた
ただでさえ安い給料で働いていた息子は生活費に困るため、私たちに電話して相談してきました。
とりあえず、わずかな仕送りはしましたが、労働基準監督署に相談へ行くように伝えました。
労働基準監督署では、会社と雇用される側のトラブルに対応してくれる担当者がいるようです。
給料未払分を内容証明で請求する
労働基準監督署で事情を説明すると、まずは文書で支払ってもらうべき給料を請求するようにと指示されたようです。文書は内容証明で送ります。(内容証明とは、送る手紙の文書について日本郵便が証明するもの。書留なので、直接相手に手渡しされます。)
文章を書くのが苦手な彼でも、未払いの給料を請求する雛形を提示してもらえたので、簡単に書けたようですよ。
内容証明を相手が受け取ってからしばらくして、息子に会社から連絡が入りました。給料の支払いは振込みではなく、取りに来れば支払う、といったもの。
彼は会社まで出向いたのですが、結局、怒られたり嫌味を言われただけで未払いの給料はもらえなかったのです。
労働基準監督署が給与未払の会社に電話を入れる
そういった経過を、労働基準監督署の担当に報告します。すると、労働基準監督署から会社の方へ電話を入れてくれ、未払いの給料を支払うように説得してくれました。
ですが、給料を払うと約束をしては、その日になると都合が悪いと言ってキャンセル。そういったことが何度も繰り返されたのです。
しまいには、嫌がらせのようなメールが息子の元に届くようなことがあったために、私と主人も、ここで断念した方が良いのでは無いかと、息子に伝えました。
労働基準監督署の担当員からは、無料の弁護士相談をしてみてはどうかと言われたようです。
実は弁護士には、私たち夫婦も無料ではなく有料で相談した経験があります。そのときの印象が、相談料が無駄としか思えない記憶であったため、弁護士には相談しないという結論にしました。
数ヶ月後、未払い給料の約半分が振り込まれた
すっかり諦めていた数ヶ月後のこと。突然息子の通帳に退職した会社からお金が振り込まれていたのです。未払給料の約半分の金額が。
労働基準監督署に連絡をすると、担当の方が、その後も根気よく給与未払いの会社と交渉してくださっていたようです。
この時点で、監督署よりこの件はこれで打ち切りでいいですか?と聞かれ、息子も承諾しました。
ひと月分まるまるただ働きと諦めていただけに、息子も私たちも嬉しく、ありがたく思いました。といっても息子はやっぱり悔しそうでしたが。
給料未払いに泣き寝入りしている人が多いらしい
こういった経験をしたと人に話して、初めて知ったのですが、とくに若い子たちの中には、給料の未払いのまま会社を辞め、泣き寝入りする人が多いようです。
20代といった若い人には、労働基準監督署のような役所に行くのは敷居が高いでしょうし、交渉しても未払い給料をもらえないと諦めているようです。
こういった話は小さな会社に多いようです。会社にも事情がいろいろあるのでしょうが、若い働き手の働く意欲を失くしてしまいそうで残念です。
主人も自営業なのですが、若い人が1日で辞めてしまったこともありました。そのときは、本人が給料を取りに来ないので、私が1日分の日当を自宅まで届けたものです。それが当たり前だとばかり思っていたので、こういった未払いの給与が多いという状況には驚きです。
でも、それだけ日本の小さい会社は厳しいということかもしれませんね。
息子の話によると、労働基準監督署の方は親切に対応してくださったようです。役所に相談したからといって、必ずしも未払い給料を支払ってもらえるわけでもないようですが、やれることをやって良かったと思います。
今回のことは、息子にとっても、そして私たちにとっても貴重な経験となりました。といっても、こんな経験はなければないほうが良いですし、一度で充分ですけどね。