小規模企業共済の貸付デメリット

加入している小規模企業共済から、一般貸付の貸付限度額のお知らせが届きました。このハガキは、定期的に届きます。

ハガキに書いてある貸付条件を読んでみてふと思い出したのが、親戚のおじさんのことです。

小さな会社の役員だったのですが、小規模企業共済に加入していて、貸付を受けていました。
会社役員であった会社を急に辞めることになったのですが、その理由は、小規模企業共済の貸付分を期限内に返済できそうになかったから、という話。

小規模企業共済からの貸付返済条件は厳しいということでしょうか?

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自営業者にメリットの大きい小規模企業共済

小規模企業共済の掛け金は全額、所得税控除の対象となります。なので自営業者にとって小規模企業共済の制度は節税効果の高い、魅力的なものです。

節税効果を高めるために、上限額である月々7万円を掛け金としている方も多いかと思われます。

実際、自営業である主人も、現在7万円の掛け金です。

 

小規模企業共済のデメリットは解約が難しいこと

とはいうものの、7万円に金額を引き上げたのはここ数年。それまで20年以上ずっと5万円と、掛け金をおさえていました。

なぜなら、小規模企業共済に掛けているお金は、会社役員を辞めたり個人事業の廃止、または契約者の死亡といった理由でないと原則解約できません。(そのための共済ですからね)

もし解約するとしたら、元本割れを覚悟で、と税理士さんに言われていました。つまりは、自分のお金であっても、銀行に預金してあるお金と違って、簡単に使うことはできないのですね。

 

小規模企業共済だけに頼らず銀行貯金も同時に平行させることが肝心

そのため我が家では、小規模企業共済掛け金の金額を上限額の7万円ではなく、5万円とし、残りの2万円はいつでも使えるように、銀行で積み立て貯金していくことにしました。

生命保険の見直しをして解約したことや、貯金もある程度貯められたことで、少し前に小規模企業共済の掛け金も上限の7万円に引き上げたというわけです。

 

退職を早めることになったのは借入が原因?

ところで会社役員を突然辞めた親戚のおじさん。事業を始めた子供にお金を貸すためだったそうです。すぐに返済するとの話だったようですが、なかなか難しかったのでしょう。
小規模企業共済の貸付期限内に返済してもらうことができなかったようです。

 

小規模企業共済から借入した場合の返済条件

改めて、小規模企業共済の貸付条件を確認してみると、短期間で返済する条件となっているのですね。(2019年10月現在)

10万円以上100万以下借入の場合
・貸付期間は6ヶ月あるいは12ヶ月
・期限一括返済

105万円以上300万円以下借入の場合
・貸付期間は6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月

305万円以上500万円以下の借入の場合
・貸付期間は6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月

505万円以上2000万円以下の借入の場合
・貸付期間は6ヶ月、12ヶ月、24ヶ月、36ヶ月、60ヶ月

返済方法は6ヶ月または12ヶ月の場合は期限一括返済
24ヶ月36ヶ月または60ヶ月の場合ば、6ヶ月毎に元金均等割賦返済となります。

貸付利息は29年10月現在で年1.5%(利息前払)
延滞利子は年14.6%となっています。

小規模企業共済の貸付デメリット

 

小規模企業共済は借入しやすいけど返済条件が厳しい?

借りた金額を300万円としていちばん長い貸付期間24ヶ月で割ってみます。するとひと月に、12万5000円を貯めておいて6ヶ月ごとに75万円返済することになります。

借りた金額を500万円とします。最長の貸付期間36ヶ月で割った場合、約13万9000円。ひと月にこの金額を貯金しておいて、6ヶ月ごとに約83万4000円返済することになります。

会社役員とはいえ、小さな会社の役員だったおじさんは普通の会社員と変わらないお給料のようでした。大きなお金の出し入れができる事業主ならなんとかなるかもしれませんが、こういった大金を短期間では貯められませんよね。

それで結局、小規模企業共済の貸付の返済ができずに、会社役員を辞めることで共済金を請求し、貸付分と相殺することにしたのですね。

おじさんの場合はすでに高齢だったので、少々定年退職が早くなったと思えば諦めもつきます。ですが、若い人の場合はそう簡単にはいきませんよね。

小規模企業共済の貸付制度は低金利。保証人も担保も不要で、借りやすいと思われます。

ですが、返済期間が短いので、借りるときには注意が必要です。

借りるときに返済のことまで考える必要があるというのは、小規模企業共済だけに限ったことではありませんけどね。

 

自分のお金を担保にして借りるより解約したほうがお金が減らない

小規模企業共済と同じく、生命保険に納めているお金や定期預金でも、自分のお金を担保にお金が借りられます

いずれも貸付利息は低金利で、簡単に気軽にお金が借りられます。

ですが簡単に借りれる分、ずるずると返済が伸びて、金利ばかりを払い続けてる人もいます。かなりもったいない話です。

定期預金や生命保険でお金を借りるぐらいなら、私だったら解約してそのお金を使います。その方が余計な貸付利息を払わなくて済むので結局、出費は減ると思うからです。

小規模企業共済についてのまとめ