老後の資金がありませんの結末

垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」を読みました。中公文庫から出ています。

この本を買った理由はもちろん、タイトルがインパクトあったからなんですが、50代ぐらいの年齢になると誰でも老後って不安になりますよね。

「老後の資金がありません」でも老後には6000万円必要とありますが、そういった情報があると、歳とるにつれてどんどん焦りますよね。私もいくらお金を貯めても足りない気がして、いつも不安な時期がありました。

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今はなるべく考えないようにしているのですが、それでもやっぱり頭の片隅にはそういった不安があるのでしょうね。だから、この本を手にして買ったということなのでしょう。

でもですね、垣谷美雨さんの著書「老後の資金がありません」って、それほど深刻な話ではないんですよ。

つまり、なんとかなるさっていう感じの本なんです。読んで良かったので、感想を書いておきたいと思います。ネタバレも含まれますので、ご注意願います。。

「老後の資金がありません」の著者は垣谷美雨さん

垣谷美雨さんは1959年生まれ。私より6つ年上ですから、同世代ですね。それで、考え方とか感じ方とか似たようなものかな?と、ますます興味を持ったのです。

日本の小説家。兵庫県豊岡市出身。明治大学文学部文学科(フランス文学専攻)卒業。
ソフトウェア会社勤務を経て、2005年「竜巻ガール」で第27回小説推理新人賞を受賞し、小説家デビュー。影響を受けた作家は曽野綾子。40代の女性が高校時代にタイムスリップしたり、夫の彼女と心が入れ替わったりなど、もしもの世界をリアルに表現する「if小説」といわれる作品が多い。

ウィキペディアより抜粋

 

あとがきには室井佑月さん

もう一つ、この本を購入した理由なんですが、あとがきには「こういう本が読みたかった」と室井 佑月さんの解説として書かれているから。

室井佑月さんは私よりも5歳年下ですから、やはり同じ世代。彼女のコラムも面白いですし、テレビにコメンテーターとして出演されていて発せられるコメントも共感できることが多いのも理由のひとつです。

それに室井佑月さんというと、なんとなくお気楽なイメージ。彼女の解説を読んで、この「老後の資金がありません」を読んだら楽になるかなって気がしたのです。

 

老後資金を1200万円貯めた主婦が主人公

主人公である50代の主婦がパートしたり節約したりしながら、さらには住宅ローンを返しながらやっと貯めた老後資金1200万円

これって、かなりリアルな金額ではないでしょうか?

その老後資金が思いもかけない出費によって、どんどん無くなってしまうんですね。終いには300万円までにも減っていくのです。怖いですね・・。

その出費というのが、子供の結婚式や親の葬式というのも身近な出来事であり、誰もがあり得る話で、どんどん引き込まれていきます。

 

夫の両親への仕送りが9万円って・・

ただ、やはり小説だからでしょうか?夫の両親に毎月9万円も仕送りしているという設定が、ちょっとあり得ない!と思ってしまいました。。現実で9万円も仕送りするって、そうとうできた嫁ですよね。私には無理です。

 

節約家過ぎる友人

50代主婦の主人公の親友が出てくるんですが、あり得ないほどの節約家で、お葬式でさえも自分たちでやるほど。子供の結婚資金援助もかなりの少額なんですね。

あり得ないと思いつつも、これを読んでいると、本当に自分たちだけで葬式ってできるものなのだろうか?と、興味を持ってしまいました。うちも義父のお葬式を出したのですが、やはり葬儀屋さんの誘導のまま、おかしくないようにと、数百万円かかった経験があります。自分たちでやるとなると、ホント、安くつくだろうな~と。自分の葬式はホント、これで充分だわって気がしましたよ。

それから子供の結婚式。これも子供がまだ未婚なので興味のあるテーマです。結婚式ってお金はいくらでもかけられますからね。逆に、地味婚で少額でもできるんですよね。

 

「老後の資金がありません」前半は読んでいて少々ストレスに・・

主人公の友人の節約ぶりがすご過ぎるのと、主人公に降りかかってくる無理難題や周囲とのやりとりでの主人公の心の声があまりにもあれこれあり過ぎて、読んでいて少々うっとおしかったです。

でも実際、自分もこうやってあれこれ心の中で「あーでもない、こーでもない。」と毎日不満や不安を言い続けているんだよな~って、振り返るきっかけになりました。

老後の資金がありませんの結末

 

夫婦ともにリストラとなり、詐欺まがいなことをしてしまう・・

老後資金が家族の事情の出費の連続で激減していくのに加え、夫婦でリストラされます。これでもかというほどに、ついてない主人公の人生。

お金が無くなり過ぎて、将来の不安から、ちょっとした詐欺まがいなことの片棒をかつぐはめになるのですが、ここらへんやちょっとミステリーっぽくて怖かったですね・・。

 

主人公の家に義母を引き取る

義母への仕送りができなくなり、勢いあまってつい義母を自分の家に引き取ることになりました。これも、普通によくある話ですよね。うちも下手すれば同じようなことになりそうです。。

ただ、ストレスを感じながらも上手に義母との付き合いをやっていくところは、お手本にしたいところです。とはいえ、そう長くは続かなかったようですが。
そこらへんもリアルで共感持てます。いじわるなお姑さんでなくても、やっぱり他人である義母とは難しいよね~ともはや、他人ごととは思えません(笑)

 

「老後の資金がありません」の後半では主人公の運が良くなる?

前半はどうなるものかと思っていました。この小説はサスペンスドラマ?と思わせる部分もあったり。

それが後半になると、どんどん状況が良くなってきて、心配で夜も眠れなかったことがとりこし苦労だったり、 すべてが解決されていくんですよ。

詐欺まがいの片棒を担いだことも、キレイにかたをつけましたし。お姑さんのことも、夫の仕事に関しても。

ですが、50代の主人公の再就職にあたってはかなりリアルな状況が描かれています。主人公までもが起業して大成功した、とかのシンデレラストーリーとなるとドン引きしますからね(笑)

 

「老後の資金がありません」を読み終わっての感想

正直いって、購入するときは老後の資金がなくても上手に乗り越える方法が書かれているハウツーものかなと思ったのですが、そういったお金に関する本ではなく、小説でしたね。

とはいえ、主人公に降りかかってくる夫の両親への援助資金や子供の結婚式への出費問題については、読みながら考えさせられることも多かったです。お金をかけるもかけないもあり。今後の選択肢の参考になります。

ひと言でいうと、垣谷美雨さんの「老後の資金がありません」はかなり面白かったです。読後感も爽快

「あるある!分かる~!」と思わせるエピソードがたっぷりで、ユーモアあり、ドキドキな事件あり。一気に読み進むことができます。

どこの家庭も同じなんように悩んでいるんだな、と思わせられますし、ちょっと安心します。

私も主人公の50代女性と同じで、心配性の早とちり。ひとりで思考がぐるぐるして、ついつい悪い方に悪い方にと考えてしまい、夜も眠れなくなるたちなのです。若いころはそんなことなかったのですが、年齢を重ねるたびに心配性になっていっています。。

でも、結局は大丈夫なんですよね。コツコツ働いていれば、いいこともあるし、なんとかなるもんだ!って気がしてきましたよ。

あと、「老後の資金がありません」の主人公の義母さんがとても可愛らしい女性です。
私もこんなおばあちゃんに将来なりたいわ!と思わせるようなおばあちゃん。ドキドキハラハラさせられますけどね(笑)
でも考えてみると、うちの実家の母とちょっと似てるかも?
ということは、私もそういう素質ありなのかもしれませんね(笑)

老後の資金がありません(楽天にて)

 

老後資金に関するマネー本としては、以前読んだ萩原博子さんの著書「お金は死ぬ前に使え」が参考になりましたよ。これも共感したので、長々と感想を書いています。40代~50代の方は読んで損はない内容かと思います。おススメです。