評価経済社会で見えてきた新しい時代の価値観
「お金が好きな私ですが、『評価』の重さにも敏感です。」そんな気づきを与えてくれたのが、岡田斗司夫さんの著書『評価経済社会』でした。
この本は、1995年に出版された『僕らの洗脳社会』を加筆・修正したもので、2011年に再び世に送り出された一冊。
現代の価値観の移り変わりを予測し、すでに10年前に描かれていた未来像が、今まさに目の前で現実化しているように思えます。
お金から「評価」へ。価値観の大転換
私たち昭和世代が育った時代は「安定」が何よりも大切でした。
安定した職場、安定した収入、そして「人並み」の生活。それが安心感を得るための絶対条件でしたよね。
でも、今の時代はどうでしょうか。どれだけお金を稼いでも、それだけでは満たされない。
むしろ「自由」や「仲間」という形のないものに価値を感じる人が増えてきています。
実際、サロンやコミュニティが増えているのも、その表れだと感じます。
私自身、一昨年からいくつかのコミュニティに参加してみましたが、どれも窮屈に感じてしまい、今はどこにも属していません。
「評価経済社会」の中で語られる理想のコミュニティとは、きっともっと肩の力を抜いて、自然体でいられる場所なのでしょうね。
でも、そんな居心地の良い場所を探すのは簡単ではないと実感しています。
複数の顔を持つ時代の生き方
この本では「いくつものコミュニティに参加し、いくつもの顔を持つのが当たり前になる」と語られています。
思い返せば、私も会社やPTA行事、近所付き合いでいくつもの顔を使い分けて頑張ってきました。
でも、今の私にはそれがもう無理。昭和生まれの私には、複数のコミュニティで自然体でいるというのは、まだ少しハードルが高いように感じています。
「いい人戦略」で生き抜くヒント
岡田斗司夫さんは、「評価経済社会」を生き抜くための方法として「いい人戦略」を提唱しています。
簡単に言うと、人に好かれることで得られる信頼や評価を生かして生きていくという考え方。
でも、これがまた私には難しい(笑)。人付き合いが得意な夫には任せて、私はお金に頼る方がラクかなと。
とはいえ、よく考えれば私も小さな形で「いい人戦略」を実践しているのかもしれません。
例えば、夫婦という二人だけの小さなコミュニティの中で、最近は意識して「いい人」でいるよう努力しています。
また、インスタでは自分と波長の合う人とのみ交流を楽しみ、ブログでは共感してくれる人が読んでくれることを願って文章を書いています。
これも一つの「いい人戦略」であり、私なりのコミュニティへの参加なのだと思います。
新しい価値観に少しずつ適応する
「評価経済社会」は、これからの時代を生き抜くためのヒントがたくさん詰まった本です。
養老孟司先生が、未来は過去の歴史をみてみれば予測がつく、というようなことを話されていましたが、まさしくこの「評価経済社会」では、過去の歴史から順を追っての解説で説得力があります。
とくに、私のような昭和世代にとって、時代の変化を感じつつも、その中でどう折り合いをつけていくのかを考える良いきっかけになりました。
大きなコミュニティを見つけるのが難しくても、まずは自分に合った小さなつながりを大切にしていく。それが、これからの生き方なのかもしれませんね。
時代がどれほど変わっても、自分らしく生きるための工夫はきっと見つかる。
そんな希望を胸に、今日も小さなコミュニティでの「いい人戦略」を続けていきたいと思います。