節税になるというメリットで話題になっている確定拠出年金。2017年1月から加入対象が公務員や専業主婦などに広がり、多くの人が加入できるようになりましたね。
とても魅力的に思えるこの確定拠出年金ですが、50代主婦にはデメリットのほうが多い場合もあるので注意が必要と、荻原博子さんは指摘されていますよ。
確定拠出年金とは?
確定拠出年金とは、いくつかの運用方法から自分で選択し、毎月決まった金額を積み立てます。60歳から受け取れるため、公的年金が支給されるまでのつなぎにもなる、自ら掛ける年金みたいなものです。
確定拠出年金に入るメリット
確定拠出年金は、次のような節税効果があることで注目されているのですね。
・積立金の全額が所得控除されるので、所得税や住民税が安くなる。
・確定年金は非課税。(通常投資の運用益や預金利息では税金がかかる)
・年金受け取り時にも控除制度が設けられている。
50代主婦が確定拠出年金に入った場合に考えられるデメリット
1つ目は最大のメリットと言われる所得控除が受けられない点です。
2つ目は60歳まで引き出せない点です。
3つ目は手数料です。
4つ目は確定拠出年金を60歳から受取り、公的年金受給までのつなぎとしたい方が多いと思いますが、50代女性が今から加入すると、受け取りは61歳以降にずれ込むことです。
このように大きく4つのデメリットが考えられると、荻原弘子さんは雑誌「女性自身」でコメントされていましたよ。
所得税控除がメリットにならない人もいる
所得税控除を受けることは、確定拠出年金の最大のメリットですが、あさイチの年金特集でもあったように、専業主婦や103万円以下で働くパートの人は、所得税や住民税を納めていないので、この節税効果は得られません。
→年金制度の知らないと損すること知ってて得すること年金を増やす方法(あさイチ!)
60歳まで引き出しができないデメリット
60歳になるまで積み立てたお金が引き出せないと、どうしてデメリットになるのか?
50代で考えられる万が一のアクシデント。たとえば、夫のリストラや家族の病気、高齢になった親の介護など、お金が必要な場合でも現金化できないので、他にお金を用立てる必要があります。
つまり、いつでも解約できる定期預金や普通預金と違って、あてにできないのですね。
確定拠出年金では、手数料が差し引かれる
確定拠出年金には手数料が必要です。国民年金基金連合会と金融機関の手数料がそれぞれに必要です。さらに、投資信託といった運用商品には別途、信託報酬といったものも必要になります。手数料で損しないためには、こういった手数料を上回った利益を得る必要があるのです。
長期投資がメリットとしても、50代で入った場合60歳までの期間が短いので、そういったメリットを得るのは難しいのではないでしょうか。
60歳を超えて加入した場合、受取り年齢が遅くなる
確定拠出年金は10年以上の加入がないと60歳から受け取れません。
8年以上10年未満の加入期間であれば、61歳からの受け取りになります。
6年以上8年に今になると62歳からの受け取りになります。
このように50歳を超えて加入する場合、加入するのが遅くなるほどに受け取れる年齢は遅くなります。(個人確定拠出年金の積み立ては60歳で完了)2022年に65歳未満までと延長されています。65歳以降もそのままにしておくと、積み立てはできないのに、口座管理費が取られるようなので注意が必要ですね。
わが家の確定拠出年金は、リスク回避の定期預金で運用
私は、去年の暮れから今年にかけて、夫婦で確定拠出年金に加入するために、いろいろ調べてきました。
→夫婦で確定拠出年金に加入申し込みし、契約完了するまでのわが家の覚書き
私たち夫婦の場合は、共稼ぎで、所得税や住民税を納めています。ですから最大のメリットの所得税控除を受けるのが目的。
すでに私たち夫婦は50代になっています。去年までは厚生年金基金に入っていたので、確定拠出年金には入れませんでした。
→厚生年金基金がなくなる!将来もらえる年金額も減っちゃうの?
国民年金基金連合会や金融機関の手数料は承知済みです。それで最も手数料の安い金融機関であるスルガ銀行を選択しています。
また、月々の手数料を引かれても、節税効果の方が高いという見込みで入りました。
リスクは避けたいので、投資ではなく定期預金を選択しています。
また、万が一の時には確定拠出年金を当てにしなくてもいいように、無駄な支出を省いて積み立てや定期預金で貯蓄してあります。
例えば月々の生命保険料の支払額を見直したら、思いがけない金額を積立貯金できるようになりました。
50代主婦といっても様々な方がいらっしゃいます。以上のような確定拠出年金のメリットデメリットを理解し、自分はどのケースに当てはまるかをしっかり確認することが大切です。
お得で魅力的だという情報ばかりをうのみにせず、デメリットの情報を得ることも必要です。自分で銀行に問い合わせするなどして、上手に活用したいですね。