下流老人とは?老後貧乏にならないために50代から備える3つの選択肢

下流老人」といった言葉を最近知りました。老後破綻や老後貧乏な生活を送る老人のことをさすようです。

私たち50代は下流老人になる可能性が高いという声を耳にします。なぜなら、バブル期を経験しているので、お金を使うことに幸せを感じ、抵抗が少ないから。つまり、出費が多いというわけらしいです。

下流老人とは

下流老人というのは、貯蓄がない、収入が年金以外にない、子どもや親戚など頼れるところがないといった特徴があるようです。

実際のところ、定年まで務め上げて退職するときには少々の貯蓄があったとしても、いざことが起きると、お金はあっという間に無くなるとことになります。

たとえば、私の知人の母親が歩けなくなり要介護状態となって家では見れないため、最近有料老人ホームに入りましたが、ひと月に20万円もの費用がかかるとのこと。

介護保険が適用される安い公共型の介護施設は、現在どこもいっぱいで入居待ちとなっており、なかなか入れそうにないようです。

現在は子供が母親の身の回りの世話をしているのですが、子供にも家族があり生活があります。老人ホームの料金は、亡くなった父親が残した貯金を取り崩して支払っているようです。知人は、貯金が無くなったらどうしよう?と、今から心配しています。

低所得老人は3人にひとり

低所得高齢者向けに、国の支援制度として、給付金3万円を支給する予定となっています。この予定者は65歳以上で住民税が非課税の高齢者、約1100万人だそうです。

65歳以上の人口が3400万人とのことですから、これでいくと低所得老人は、3人にひとりとなります。これが、下流老人および下流老人予備軍なのでしょうか。

老後資金はいくらあれば良い?

下流老人にならないために、老後資金はいくらあったらいいのでしょう?多ければ多いに越したことはないのですが、目安を知ると過度にがんばることもなく、老後の漠然とした不安も減りそうです。

総務省のある調査によると、現在65歳夫婦の年金は、平均で約21万円。これから税金や社会保険料が差し引かれますから、実際に手元に残るのが18万円ほど。

65歳夫婦の家計支出の平均は約23万円。ここですでにマイナス5万円となっています。

※23万円は平均的な生活費です。実際に出してみると思いがけなかったり・・
家計簿つけてる?通帳が家計簿代わりのわが家の生活費っていくらかな。

マイナス5万円が老後資金から毎月無くなっていくと考えます。

日本の平均寿命が約85歳としてみます。(2014年日本の平均寿命:女性86.83歳、男性80.50歳)

△5万円×12ヶ月=△60万円
△60万円×20年間=△1200万円

となりますから、生活費だけをみると、最低でも老後資金として1200万円は必要と考えておくとよさそうです。

老後の資金にゆとりを持つために

手取りの年金が平均で18万円とはいうものの、それぞれに受給年金額は違ってきます。そこで、理想とするのは年金支給額以内で生活を送ること。

毎月の生活費が多くなれば、蓄えた老後資金が減る一方なのは当たり前。でも、少ないお金で楽しく節約できる生活が身についていれば、年金支給額以内で毎月の支出をまかなうことができるかもしれません。わずかでも貯金もできるかも。そうなると、気持ちの持ち方も違ってきて老後の人生でのハリも違ってきます。

そこで、50代である私たちは今のうちから支出の少ない生活に慣れておくと良さそうです。ストレスのない無理しないほどほどの節約生活で。

今のうちから出費の少ない生活に切り替えられれば、老後資金も貯まるので一石二鳥です。

あと、家庭の大きな支出となっている固定費を見直すのもオススメです。我が家も思い切って生命保険を見直して、保険の解約もしましたわが家の生命保険を見直し!月々の保険料を減らすまでのまとめ

収入を増やすという手立てもある

50代の友人たちとの会話で「なかなか生活水準って下げられないのよね」ということを耳にします。

それもよく分かります。私もそうですから。

そういう人は、収入を増やす方向で考えるという手立てがあります。

専業主婦の方は、パートに出てみる。

パートで100万円あたりの収入を超えないようにしている主婦は、150万円以上の収入を得られるようがんばってみる。

というのは、年間103万円や130万円を堺に、所得税や社会保険料の支払いが発生するから。130万円~150万円の範囲の収入になると、130万円以下のほうが手取りが多いという逆転現象となります。

この逆転現象をなくすためには、年収150万円を超えること。そのあとは、年収の増加にともない、手取りも増えていくのです。

今後は、社会保険加入条件の年収額が130万円よりも下がる見込みです。それならいっそのこと、収入の枠にとらわれず、収入を増やすことを考えるというのも大切だと思います。

 

厚生年金のメリット

私のまわりでも、専業主婦やパートの方で、保険料を給料から差し引かれることで手取りが減ることを嫌う人が多いです。

でも、厚生年金は実はすごく魅力的なのです。

・支払った保険料は、将来年金支給額として返ってくる。
・保険料は、所得税控除対象となる。
・雇用している会社もあなたと同額の保険料を支払ってくれる。
・将来の年金給付金には、税金も投与されてくる。

ざっと見ても、こういったメリットがあります。

国保だと全額自分負担ですが、企業に雇用されて社会保険に加入できれば、半分を担ってくれるというのです。

生命保険会社の個人年金だと一部所得税控除対象となります。でも、公的年金であれば、全額が所得税控除対象なのです。

そして、将来の年金給付金には、税金も入っているのですから、もらわないともったいないですよね。

60歳過ぎても働くという選択肢

60歳過ぎてからの収入は、年金額から一律20%カットされていた制度が廃止され、現在は、28万円を超えた場合、収入額に応じての年金がカットされます。

老後も働くことが推奨されているのですね。

年金がカットというと、働くことを懸念しがちですが、60歳以降も厚生年金に加入することで、もらえる老齢厚生年金が増えるメリットがあります。

老後を豊かに暮らすために

まとめると、

・生活費を節約して、老後資金を貯める
・主婦もフルタイムで働いて厚生年金に入る
・60歳以降も元気で働く

老後を豊かに暮らすには、こういった大きく3つの選択肢があります。

私は、子供の頃から母の節約生活と教育で、節約するのはそれほど苦ではありません。でも、収入を得て好きなことにお金を使うことを経験したら、そのほうがずっと楽しいと思うようになりました。

それで、短大卒業後は出産前3ヶ月と出産後10ヶ月をのぞいてずっと働いています。50代に入ったいまも働いていますし、60歳以降も元気で働けたら幸せだなって思っています。