私たち夫婦は50代。自分たちの親の兄弟や親戚らが高齢となり、亡くなるケースも増えています。
そこで起こりやすいのが相続問題ですね。私も他人事ではないので、そういった世間話には、つい、聞き耳を立ててしまいます。
先日も、親戚の相続トラブルの話を、実家の母から聞きました。
相続争いは数百万円の遺産の場合がけっこう多い
親戚の相続トラブルといっても、大した金額の相続ではなく、多くても300万円程度だろうという話です。
相続トラブルは、巨額な遺産のある場合だけがもめるわけではなく、200万円や300万円の相続であっても、争いが起こるのが実情なのです。
介護をしたかしないかでの遺産相続争い
親戚でどんな遺産相続争いが起きたかというと、親の介護をしてきた姉と、介護をしていない弟での遺産分与の割合について。
どちらも同じように相続権が発生するのですが、介護してきた姉が、財産分与時に、より多くの遺産相続の権利を主張したからなのです。
とはいえ、遺産分割する際には、介護の有無はほぼ考慮されないというのが、家庭裁判所の判断なのだそう。
なぜなら、親の扶養義務が子供にはある、というのが前提だからです。
親の面倒を見てきたという、この親戚の姉。親の介護をしたことで、余分に遺産を相続したいのであれば、親が元気なうちに、そういった趣旨の遺言書を書いてもらっておくべきだったのですね。
こういった、介護をしたかしないかということから、兄弟間での遺産相続の争いが起こることは、最近では多いとのことです。
親が認知症である場合の遺言書は認められる?
ここで、ふと気になったこと。それは、亡くなった方が、認知症だったことです。
もしも、認知症の親が書いた場合の遺言書は、認められるのかということです。
認知症と診断されたかどうかに関わらず、判断能力のない認知症の人が書いた遺言書。その遺言書が有効であるかどうか、という明確な基準は法的にはないようです。認められるかどうかは、そのときの行政の判断に委ねるということですね。
兄弟間の仲を保つにも遺言書が最適
一番確実性が高いのはやはり、親が元気なうちに遺言書を書いてもらうことに尽きます。
こういった兄弟間の遺産相続争いは、絶縁になるなど、お金の問題以外にも、人間関係に大きな損失を生じる場合もあるとよく耳にします。
たとえば、身近な例でいくと、私の実家の母の場合も、兄弟間で遺産分与でもめたようです。祖母が亡くなって20年以上も経つというのに、いまだに母はその時のことを話し出すと、悔しくなるのか話が止まりません。
遺産相続を放棄する際には、実印に印鑑証明が必要ですよね。
母は遺産をすべて放棄したのに、遺産を相続した兄弟からは、市役所にわざわざ行った手間賃や交通費どころか、印鑑証明書代さえももらっていないと、ぼやきます。
母からしてみれば、かわいい弟だからという気持ちもある反面、自分にも権利がある。それなのに、まったく遺産をもらえなかったという悔しさもあるのでしょう。
母の弟からしてみれば、当然の権利と思っているのかもしれないし、姉に対しての甘えもあるのでしょうね。
先日、実家に泊まったときに、我が家の相続の話も、ちらっと出ました。
「お父さんたちが元気なうちに、家を売却して私たちにお金を生前贈与してよ」と言ってみましたが、無駄でした。。
もはや趣味のように、母が高額な健康食品にお金を費やしているので、現金の遺産相続は望めないですし(^_^;)。
家と土地の相続を、弟がどう思っているのかを聞いてみたいところです。母の弟のように、自分がすべてを相続して当然と思っているのかもしれませんね。
弟には家のローンがあります。私には借金がないので、とくべつ遺産が欲しいとも思わないのですが、それでも、もらえる権利があるとなると、いざというときには欲が出て、遺産相続権を主張してしまいそうです。
父はきっちりした実直な性格の人なので、実はこっそり、遺言書を書いているのではないかと思っています。
話はずれますが、家族が親の年金をあてにしているらしく、延命治療をしている親戚が身近にいるとのことで、見舞いに行った父が「俺の時は延命治療をしないでくれ」と言っていました。遺産相続についての話は具体的になかったのに、こんな話はえらく具体的です。。
で、その答えですが、私に父の年金を管理させてもらえるのであれば、もちろん延命治療するよ、と答えておきました(笑)。
まあこういった話も、両親が健在で、とても元気だからこそ、笑い話にできるのですね。ありがたいです。