貯金のある高齢者でも80歳を過ぎて医療保障に入る必要があるのでしょうか?
今まで掛けていた生命保険が満期になったために、新しく保険の勧誘があり、その医療保険に入ろうとしている両親です。その生命保険のパンフレットを見てみると、どうしても必要でない保険のように思える私です。
生命保険の満期がやってくる80代の両親
ひと月に一度ぐらい実家に戻るのですが、その理由は80代になった父と母の様子を見るためです。
週末に実家に戻ると、両親2人ともいつものように元気に出迎えてくれました。
私の両親は母が30代のときに胃の手術で入院した経験があり、60代の時に父が軽い脳梗塞で入院した経験があります。
入院時に入院給付金をもらった経験があるからか、できる限り生命保険は掛け続けたいという気持ちでいるようです。
何十年という長い生命保険料掛金生活を続けた結果、80歳を超えてやっと満期が来る生命保険。いったいいくら掛け捨ててきたのでしょう。
80歳を超えても入れる生命保険の内容はお得ってホント?
私の親は公務員だったのですが、今回勧誘を受けているのは、その退職者をターゲットにした生命保険のようです。
保険案内を見せてもらうと、限られた人しか入れないといったキャッチフレーズで、いかにも被保険者に有利で、お得な保険であるかのように思わせるパンフレットでした。うーん、さすがです。
夫婦で月々の生命保険料が一万円と聞いた私も、それは安いね、と最初は驚きました。(死亡保障と医療保障のセットだと思ったから)
でもよくよくパンフレットを読んでみると、かなり限られた保障であることに気づきます。
保険の勧誘は損害保険と医療保険の2種類です。
80代から入れる医療保険(入院に限られた給付金)
両親が「生命保険に入ろうと思う」というので、死亡保障と医療保障は付いてるものと思っていましたが、パンフレットを見てみると疾病(病気)入院保障だけとなっています。(通院保障がついているのか?と最初思っていましたが、もちろんついていません)
期間は1年間保証。入院給付金は1日入院あたり3000円です。
これを両親夫婦で入った場合は掛け金が1年間で12万円ほどです。
入院給付金の保証は1入院45日間。通算120日間限度となっています。しかも8日以上の入院が条件です。最近の入院給付金は入院1日目から出るのが当たり前と思っていたので、よくない条件だと思います.
入院給付金1日あたり3000円×45日=13万5000円です。これが、もし連続45日間入院した場合にもらえる入院給付金となります。
また、支払う掛け金の12万円の元を取ろうと思えば40日間も入院する必要があります。
最近では、健康保険の関係からか、病院側ではあまり入院することを望まれず、短期入院になっています。(私の周りの高齢者は施設へ移るケースが多いようです)
→医療費は、医療保険では使えない通院が圧倒的に多いのが現状
以前生命保険の見直し相談をしたFPのお二人も同じようにおっしゃっていました。(この無料相談のおかげでかなり、生命保険に詳しくなりましたし、わが家の保険もかなり減らしました。)
ということで、なかなか元は取れそうにはありません。
実家の母に、「もしお母さんが入院して1日3000円もらえたとして、嬉しい?」と尋ねてみました。
母の答えは「嬉しくない」でした。
それもそのはず。現在父親の年金と自分の年金で何不自由ない生活をしている母です。そこで1日3000円の入院給付金をもらったとしても掛け金を12万円ほど支払っているので、嬉しいはずがありませんよね。
そもそも生命保険というものは、貯金がない場合、万が一のときのために高い保障料を払って備える制度です。
両親は貯金もあるし、厚生年金ももらっています。年金額の多い父が先に亡くなったとしても、母は遺族年金がもらえます。だから、12万円払って1日あたり3000円の入院給付金をもらう必要が私にはまったく感じられないのです。
「お母さんたち、今まで何十年もすごい金額の生命保険料払ってきたよね?ほとんど入院も手術もしていないから、ほとんど掛け捨てになってるよね?」と尋ねると、母は「うん、相当な金額払ってきたよ。」と答えました。
「お母さん、お父さんにも私が言ったこと、話してみてよ。それでももし、この医療保障にお父さんがどうしても入りたいというのなら、私にこの1年間の保険料の掛け金をちょうだい。そしてもし、お父さんかお母さんが入院した時には、私が1日3000円ずつ入院給付金として渡すから。そうすれば私多分、得することになるだろうから嬉しいんだけど!^^;」と話しました。
すると母は「本当だね」と言って、笑っていました。おそらく母は理解したようでしたが、その時その場にいなかった頭の固い父が理解するかどうかは、かなり疑問です。
80代でも入れる損害保険が入院保険より保障額が高い理由は?
もう一つの損害保険の方ですが、これは入院保障と比べて死亡保障もあり、かなり保障金額が高くなっています。ということは、それだけ怪我による入院保障や死亡保障をしてもらう確率が少ないということでしょう。そうでないと、保険会社はつぶれてしまいますからね。
高齢者でも入れる医療保障の保険料が高いのは当たり前
逆を言えば80歳を超えた人に入院保障を払う保険となると、リスクが高くなるために条件が厳しくなるのは当たり前です。
そういった点も踏まえて、保障内容をしっかり理解した上でこういった医療保障に入るのなら良いのですが、80歳を超えると理解力も低下してきています。
メリット・デメリットを、保険外交員がしっかり丁寧に説明してくれるかどうかが不安なのです。
今回は私に相談してくれたので、保障の内容をしっかりと説明することができました。この説明を聞いた上で、父と母が医療保障に入りたいというのであれば、本人たちの考えなので仕方ないと思っています。。もったないけど・・。
父は自分たちに何かあった時に、私たち子供に迷惑をかけないために医療保障に入りたいと話していました。でもわたしには、この医療保険に入ることが私たちにとってありがたいことのようには、まったく思えないのですが..。
さてさて、実家の父と母は、この医療保障に入るんでしょうかね。(;_;)。。