「年金」をテーマにしたあさイチ!。年金の仕組みや手続きは、なにかと複雑なイメージです。でも、50代となった今は興味のあることのひとつ。
加入していた厚生年金基金が破綻した経験もあり、厚生年金制度にも少々不安があります。
年金制度、知らないと損することや、知っておくと得することって本当にあるのでしょうか?
あさイチ!では、年金を増やす方法も紹介してくれましたよ。
国民年金と厚生年金、今後もらえる年金額はどのくらい減っていく?
自営業やフリーターなどの国民年金加入者を第1号被保険者といいます。
第1号被保険者が満額国民年金保険料を収めた場合、現在は夫婦でひと月に13万円(1人65,000円)年金をもらえます。
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20年後はひと月10万円に減額予定
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35年後はひと月8万円に減額予定
厚生年金加入者を第2号被保険者と呼びます。この人たちは、国民年金の加入者にもなります。
年収額によって、もらう年金額は違ってきます。
夫は40年間勤務していて妻は専業主婦の場合。
平均年収額が400万円
現在では20万円
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20年後は17万円に減額予定
↓
35年後は15万円に減額予定
平均年収額が500万円
現在では22万円
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20年後は19万円に減額予定
↓
35年後は16万円に減額予定
平均年収額が600万円
現在では24万円
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20年後は20万円に減額予定
↓
35年後は18万円に減額予定
今後、年金制度の崩壊があるのでないか?
年金制度の崩壊はありえないとの専門家のお答えでした。理由は、保険料を納める若者がいなくなることはないから。
ただし、少子化で年金保険料を払う人が減少しているので、年金受給額が減るのはしょうがない。
老後を豊かに暮らすためには、いくら老後貯金が必要?
答えてくれたのは、社会保険労務士・税理士・ファイナンシャルプランナーの佐藤正明さん。
現在の高齢者夫婦の家計収支額は、
支出 27万円
収入 19万円
▲8万円となります。この不足分貯金しておく必要があるのです。
90歳まで生きるなら、いくらの貯金が必要?
「年金で足りない生活費」は2400万円。
外食(月に5000円)、旅行(年に18万円)代金は、600万円。
2400万円+600万円=3000万円。
老後を余裕ある暮らしにしたい場合は、3000万円を65歳までに貯めましょうといったアドバイスでした。
3000万円なら、なんとかできそうな金額です。といっても無計画では難しいでしょう。わが家では、老後のための貯蓄も考えて、住宅ローンを早期完済させ、生命保険の見直しで、かなり貯蓄できるようになりましたよ。
ファイナンシャルプランナーが実践している年金を増やす方法
2017年1月から主婦も加入できるようになる予定で、今注目されている確定拠出年金。
「確定拠出年金」とは、公的年金の上乗せとして、自分で掛け金を出して運用し、お金を増やせる可能性があります。
確定拠出年金には、投資・定期預金・保険といった3つの運用方法が選べます。
【投資】
メリット・・うまくいけばお金が増える
デメリット・・失敗したらお金が減る
ファイナンシャルプランナーからのアドバイスは、リスクがあるので、投資は少額の月々5,000円ぐらいからがオススメとのこと。
【定期預金】
メリット・・お金が減らない
デメリット・・お金があまり増えない
【保険】
メリット・・お金が減らない
デメリット・・あまりお金が増えない(解約すると損することもある)
確定拠出年金の投資、定期預金、保険の組み合わせはできるし、途中で変更もできます。
確定拠出年金の魅力
「所得税控除」などの税制優遇があるところ。
以前、こちらに詳しく書いています→確定拠出年金って知ってる?銀行がお勧めしないほどお得な個人年金なのです。
確定拠出年金の注意点
・手数料などがかかるところ。最初は1万円ぐらいで、その後は数千円かかる。金融機関で違います。
・専業主婦は、所得税の優遇が受けられない。
・利息が手数料より低くなる場合もある。
・あくまでも年金なので、60歳まで引き出しができない。
・60歳までしか加入できない。(60歳前に亡くなった場合は、一時金としてもらえる)
※どこの金融機関で、確定拠出年金の加入ができるか?手数料は?と知りたい方は、国民年金基金連合会 個人型確定拠出年金のHPで確認してください。
国民年金基金連合会の個人型確定拠出年金・iDeCo公式サイト
知らないと損する年金制度
・国民年金保険料を滞納すると、受取年金額が減る。
・25年保険料を納めないと、受け取る年金額は0になる。
・手続きをとることで、保険料の免除や猶予といった制度もある。
・過去にさかのぼって10年間の保険料を支払うことができる。
最低25年間は掛けないと年金受給ができないのは、他の国と比べても厳しすぎるという声が多く、2017年より最低10年とする予定。10年間保険料を支払ったとして、月に15,000円の年金額となります。
ただし、これは消費税を10%に引き上げることをあてにしていた政策であり、消費税の引き上げが先延ばしとなっているので、現在はその財源を模索中だそうです。
年金は、60歳でもらうのと65歳でもらうのはどちらがお得?
結論としては、年金はもらうのが遅いほどお得。
65歳で100%の年金額とすると、60歳からもらうと70%。70歳からもうらと、142%の年金額となり、これが生涯続く。
離婚後の妻の年金額
夫がずっとサラリーマンなら、若いうちに離婚するよりも熟年離婚のほうが妻は多く年金がもらえる。
結婚後に夫が納めた厚生年金の一部が妻にわたることになるが、半分よりも少ないことが多く、思ったよりも少額であると考えておいたほうが良い。
国民年金の場合は、離婚しても、妻の年金額に変額はない。
主婦の収入が130万円の壁を超えた場合
国民年金第3号被保険者である主婦の年収が130万円を超えると、夫の扶養からはずれて、第2号被保険者となり、社会保険料を納めることになります。
103万円の壁との違いは?
年収が103万円を超えると、所得税が引かれ始めるライン。103万円を超えた部分に対して税金が引かれるため、手取りには大きな差はない。
いっぽう、年収が130万円以上となると、全体に保険料率がかかってくるので、手取りは大きく減ることになる。
【事例】
月収10万円(年収120万円)の場合・・社会保険料0円、手取り金額10万円
月収11万円(年収132万円)の場合・・社会保険料 約16,000円 手取り金額 約96,000円
月収11万円で20年間働いた場合、年金額は月に11,000円増える。
社会保険料を納めるとこんなメリットもある
働いているとき、ケガしたり病気になったりして仕事を休んだ場合は、傷病手当金が最長で1年6ヶ月間もらえる。
障害のある状態になった場合は、障害厚生年金が受けられる。
106万円の壁とは?
以下のすべてを満たした場合、新たな厚生年金・健康保険の対象者となります。2016年10月から始まる予定です。
・月額の賃金が88,000円以上(年収106万円以上)
・週の所定労働時間が20時間以上
・従業員が501人以上の企業
・勤務年数が1年以上の予定
・学生でないこと
あさイチ!視聴者からの5つの質問
NHKのあさイチ!にファックスなどで届いた視聴者からの質問やご相談です。ご回答は、主にファイナンシャルプランナーの佐藤正明さん。
質問①将来もらえる年金額が減るなら公的年金の保険料は掛けないほうがいい?
・年金の半分は税金なので、お得です。もらわないと損です。
・低年金の人には、月5,000円をプラスしましょうという計画があります。つまり、年金をもらっている人が対象で、もらっていない人は該当しません。今後も有利な制度の対象になるためには、年金はもらえるようにしておいた方が良いです。
・20歳~60歳までの国民は、保険料を払って年金をもらうようにするのが国民の義務です。
・年金保険料を支払っているというメリットは、年金をもらうことだけではありません。年金は保険の役割もあります。夫が亡くなったら遺族年金が出ますし、ご主人が働いているときケガして障害になってしまったら障害年金をもらう資格があります。将来ではなく、現在働いているときからも、ずっとメリットは続くのです。
・公的年金は、生きている限りずっともらえる年金です。保険会社の商品である年金は、もらえる期間が限られています。
質問②自分の年金受給額はどうやったら分かりますか?
最寄りの年金事務所に年金手帳と身分証明書を持って行くと、すぐその場であなたの年金額を出してくれます。
あとは、誕生月にねんきん定期便が送られてくるし、パソコンではねんきんネットに登録すると調べることができます。
【参考】→ねんきん定期便の見方が解らない!を解決。日本年金機構に問い合わせしてみた。
質問③年金は、自動的にもらえるようになる?
最近では、年金受給月の3ヶ月前に日本年金機構から手続きする書類が送られてきます。その書類に必要事項を書いて送ればよいです。
ただし、引越しなどで書類が送られてこない場合も有り得ます。自分の年金受給開始時期だけは把握しておくこと。書類が来なかったら、年金事務所に行きましょう。
質問④働いていると年金はもらえない?
給与と年金を足して、一定の金額までは年金も給与ももらえます。一定額を超えると、年金は徐々にとめていくこととなり、0円になることもあり得ます。年金事務所に、自分の場合の年金額はどうなるのか、相談して確認してください。
質問⑤公的年金保険料は上がり続けるのか?
2017年には、給与の18.3%の保険料で引き上げは終了となります。今後はその中で払っていく年金額を調整していくこととなります。そのため、もらう年金額が減少していくといったことが予想されるのです。
MHKあさイチ!の「今こそ知りたい 得したい!年金」を見てのまとめと感想
私もこれまでに、いくども国民年金や厚生年金、保険会社が売っている個人年金について調べてきたし、このブログの中でも書いているので、基本的なことは知っていました。
106万円の壁の具体的なことは初めて知ったのですが、大手にお勤めの方を対象なようで、ホッとしました。なぜなら主人が小さな会社経営者だからです。
社会保険は、半分は会社持ちなので、雇い主にとっては、出費が多くなるので負担です。
ということは、お勤めしている人は、社会保険に入ることは手取りのお金が減ることになっても、入れるものなら入ったほうがお得ということです。
確定拠出年金ですが、私が魅力を感じるのは、利益よりも節税効果が高いということ。
あさイチ!のゲスト児嶋一哉さんは、投資したことがあるけど、大損したと言ってました。私も昔々投資信託で200万円くらい大損したことあるので、怖くてやるなら定期預金です(^_^;)
あさイチ!では、確定拠出年金をオススメするという感じではなく、あくまでも紹介というスタンスでした。
私も何度も将来年金はもらえるのだろうか?と思ったことありますが、いつのまにやら50代。あと10数年で年金受給者です。あっという間です。
公的年金は、上にも書いたように、膨大な税金が投与されています。つまり、年金保険料を支払っていないとしても、税金は払っていますよね。いや、これは絶対にもらわなければ!と、これを知って思い直しました。
いろいろな情報から不安は100%は消えませんが、企業の個人年金をあてにするよりもずっと信頼できますよね。私たちの国の制度ですから。
あさイチ!でも言ってらっしゃいましたが、年金は助け合いの精神でもあります。今私たちが払う年金保険料が、お年寄りの役にたっているというわけです。
私はボランティアとか苦手です。でも、毎日元気に働いて、税金や保険料を払っているということだけでも、充分に自分の存在価値が感じられ、自分を誇らしく思います。
なんていいながら気になったのがうちのフリーターの息子。さて、彼は、年金保険料、きちんと支払ってくれてるかしら?(^_^;)
【後日追記】
その後、確定拠出年金に加入しました。その経緯のまとめはこちら→夫婦で確定拠出年金に加入申し込みし、契約完了するまでのわが家の覚書き