親の介護では寄与分もらえない

親の介護を長年した場合、面倒をみなかった他の兄弟よりも多くの遺産をもらえないものでしょうか?

舅の介護を長年やっていた友人。同居だったので嫁である友人が身の回りの世話をしていたのですが、寄与分という相続の権利があると知って、相続無料相談で尋ねたそうです。でも、友人にはその権利は認められないとのこと。

被相続人が亡くなったあとでは無理ですが、生前であれば、対策もあるようですよ。

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寄与分とは

親(被相続人)が亡くなる前に、特別つくした分、余分に遺産をもらう権利。

ただし、寄与分は、相続人にしか認められていません。被相続人の息子である友人の夫が舅を介護していたのであれば、寄与分が認められ、遺産の取り分が多くなる可能性はあります。

とはいえこの場合でも、相続人全員が合意した場合にのみ認められるなどといった条件があるため、難しいのが現状です。

いっぽう、嫁である友人には長年介護したという事実があっても、寄与分の権利はまったくありません。

 

 

生活費や医療費の立て替えは寄与分とされる

相続人の私財から被相続人の生活費や医療費などを立て替えていた場合は、寄与分が認められ、相続財産が増える可能性が高いです。

 

ただしこの場合、生前に何の費用をいくら立て替えしていたかを説明する資料をとっておく必要があります。

被相続人のために立て替えをした領収書やレシートなどを保管しておくこと。また何に使ったかの記帳もしておくことが大切です。

 

 

寄与分よりも確実に遺産の取り分を多くもらう方法

実の子供であっても、法律では「親の介護をするのは当然」といった前提があるので、「被相続人への立て替え金」以外での寄与分を主張するのは難しいようです。

そこで、他の兄弟よりも多くの遺産をもらうには、親に遺言書を書いてもらうのがもっとも確実となります。

遺言書に記載されれば、嫁に遺産の一部をわたすことも可能です。

遺言書作成の方法も数通りありますよ→公正証書遺言と自筆証書遺言の作り方~父の遺言書の効果を体験

 

 

介護した子供にお礼として、110万円の生前贈与非課税枠を利用

主人の舅さんが亡くなる前には、主人の姉が姑といっしょに舅の介護をしてくれました。同居ではなく、近くの自宅から通いです。

舅さんが亡くなって、遺言書が残されていたこともあり、姉は寄与分は主張しませんでした。
香典は持って行きましたが(^_^;)→香典は喪主がもらう?相続として兄弟で分ける?わが家の場合は・・

 

でも、それよりも、介護してくれたことに対し、舅が生きているときに現金で充分なお駄賃をいただいていたことは、主人も私も承知しています。

このように、贈与を受けても、年間110万円まで非課税という法律を利用すると良いですよね。

実の子供であっても、介護は労働です。それに対してお駄賃をいただいていれば、相続の際にももめにくいと思いますよ。

とはいっても、親の手元に現金があったらの話ですけど。

お駄賃をもらっていた姉は、介護は大変だったでしょうがいつもにこやかで、私は嫁としても気が楽でした。

 

※この年間110万円まで非課税という生前贈与ですが、注意が必要です。

法定相続人への贈与は、被相続人が亡くなる3年前までさかのぼって計算されることを忘れないように。亡くなる2年前に110万円の贈与があった場合は、相続財産となるのです。これが、孫への相続であった場合は法定相続人でないので、相続財産とされません。

 

 

 

まとめ

寄与分とは

被相続人が亡くなる前に、特別に労働の提供をするなど被相続人につくした分、余分に遺産相続ができる権利。

 

生活費や医療費の立て替えは寄与分とされる

親(被相続人)の介護のさいに、生活費や医療費などの立て替えをした場合は、寄与分として認められるが、領収書や明細などが必要。

 

寄与分よりも確実に遺産の取り分を多くもらう方法

寄与分の主張をするのは難しい。もっとも確実なのが親に遺言書を作成してもらうこと。

 

介護した子供に110万円の生前贈与非課税枠を利用

わが家の場合、親が生きているうちに、介護の手伝いをしていた姉は、生前贈与の非課税枠110万円を利用して、贈与してもらっていた。

そのためもあってか、わが家では生前に介護労働を提供した姉も寄与分の主張はなく、もめることもなかった。

ただし、法定相続人への贈与は、被相続人が亡くなる3年前までさかのぼって計算されるので注意が必要。

 

 

あとがき

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私の実の親が介護を要するようになったら、私も生前贈与の非課税枠を利用して、お駄賃をお願いしようと思っています。

介護しなくても、生前贈与してくれると嬉しいのですが。もしくは姉弟でもめないように、生命保険の非課税枠を利用して相続させてもらえると嬉しいですね。

とはいっても、とてもとてもそんな甘い親ではないので。。