貯金と保険の違いは?80歳の母が貯蓄性保険で貯められなかった理由

子供の頃から貯金好きだった私は、損したくないケチな人。どうせお金を使うのであれば、どうにかして元を取りたいタイプです。

だから、結婚してからも生命保険や家の火災保険には入るとき、貯蓄型をいつも選んでいました。

昔は、それでも保険の予定利率が良かったからなんとかなったんですよね。保険でお金を貯めたいという願望もある程度はかなっていました。

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50代になって貯蓄と保険を区別する感覚が芽生えた

それが50代になって、なんか違うぞ?と疑問を持つようになったのです。

そこで、わが家の生命保険契約内容を一覧化したり、書籍を読んだり、ネットで調べたり、無料保険相談に行ってみたりといろいろやってみました。
そしたらやっと、保険と貯蓄は別なものというところに辿り着き、これら2つは区別すべきだと思うようになったのです。

そもそも保険と貯蓄では目的が違いますよね

保険の目的は、万が一の事故や病気になったときのリスクをカバーする保障。いっぽう貯蓄は、お金を貯めておくことで柔軟にその目的が変更できます。

 

 

生命保険を代表に、保険と貯蓄の性質の違いを比べてみると?

保険

・途中で毎月の掛け金を変更したり、中止することをすると損をする。
・元本割れすることが多い。
・老後資金目的で生命保険を掛けたとして、満期になる前に予定変更してそのまま住宅購入として使うことなどできない。(保険解約すれば可能だが、元本割れする)
・保険会社が倒産した場合、貯まったお金の最高10%までカットされる場合もある。


貯蓄

・毎月の積立貯金金額を変更することは簡単にできるし、いつでも積立貯金はやめられ、損しない。
・貯金は元本割れしない。(投資は別)
・老後資金目的で貯蓄したとしても、いつでも予定変更して、そのまま住宅購入資金としても使用できる。
・銀行が倒産した場合、1銀行あたり1000万円までの元本と利息の保護が受けられる。

 

 

保険は保険、貯金は貯金と割り切ることが大切

貯金は、柔軟に使用目的の変更に対応できますが、保険はそうではありません。元本割れといったリスクを伴います。

生命保険を掛けるのであれば、
・いくらの死亡保障が必要で、そのためにはいくら払うことに自分は納得ができるのか?
・1日の入院保障がいくら必要で、いくらの掛け金であれば戻ってこない保障料として納得がいくのか?

この2点を考慮し、保障料として還ってこないお金を支払う割り切りを持つべきだ、と気づいたのです。

そして、保障してもらうのだから、その保険という仕組み(多くの人が払った保険料で、事故や病気になった人を援助する仕組み)や保険会社の手数料にお金を支払うのであり、お金は戻ってこないのが当たり前。

保険金が出ないことが、自分や家族にとって幸せなことなんですよね。

それなのに、生命保険に貯蓄性を求めるから、「あんなに掛けたのに、ちっとも戻って来ない。」とか、「保険を長年かけてきたのに途中解約したら元が取れなかった」と私のように嘆く結果となるのです(^_^;)

私の場合、予定利率の良い時代にかんぽ生命の保険で少しだけいい目をみた経験もあり、保険に貯蓄性の期待をかけすぎていたようです。

そういった夢から覚めてやっと、かけ過ぎていたかんぽ生命保険を解約することができました。

 

 

もし今後かけるなら格安掛け捨て保険にするつもり

今からさらに、私が生命保険を掛けることはもうないと思います。
もし、息子が結婚して家族ができ、生命保険を掛ける必要ができたときは、安い掛け捨て保険を勧めると思います。

保険は保険、貯金は貯金だよと言って。

日本の昔からある保険会社の商品はその内容が複雑で、いかにも貯蓄性があるように思えますよね。日本人は損したくないという思いが強いので、保険で貯めたいと思っている人が多いことを保険会社のほうも分かっていて、そういった保険商品が増えているのでしょうね。

 

 

健康を保険で買うという日本人に多い考え

私には、80歳を過ぎた母がいるのですが、母は私よりも生命保険が大好きで、保険で貯金しているつもりの人です。

長年コツコツと掛けてきた生命保険が先日満期になったようです。思ったよりもずっと満期返戻金が少なかったとのことで、少しばかりしょげていました。
それもそのはず。途中で保険の転換を何度も保険外交員に言われるがままにやってきたため、積立部分が絶えず崩されていて貯蓄部分はほとんど増えていません

母は「健康を生命保険で買ったからいいの」と言っていました。確かにそう考えることって健全なことです。

でももし、安い掛け捨て生命保険にしていたら、保険の転換をあまりせずにいたとしたら、もっと他でお金が使えたのにね、と。とても今更口にはできませんが、ちょっと残念に思った私です。